戸賀敬城さん(『メンズクラブ』編集長)
Q1:女性にはどんな香りをまとってもらいたいですか?
服装やTPOに合わせていれば、基本的には問題ないと思います。とりわけ、優しく繊細でパウダリーな香りは、好感がもてますね。香りはその人のイメージを良くしたり、足りないものを補うものでもある一方で、ごまかすこともできてしまうもの。だから、ひとつの正解はないと思うんです。でも、古来、香りが儀式で用いられていたことを考えると、祈りや願いをこめて使ってもらいたい。そのぐらい、文化的なものだと思います。そういった意味でも、“高貴”さは重要なファクター。洋服がカジュアル志向だから、あえて香りに気品を漂わせると、より魅力的になるのではないでしょうか。個人的には、男女問わずホワイトロータスが入った香りがおすすめ。みずみずしくて、繊細な香り立ちなんです。
Q2:フレグンスをおしゃれに楽しむ秘訣は?
エッジが効いた香りは、それ相応の覚悟が必要。男性からしてみたら、強い香り=アピールという印象をもたれますし、よかれと思って使っても、強烈な香りは逆効果のことが多いのではないでしょうか。「今日は勝負日!」というようなときの武器としてわかって使うならともかく、ひとりよがりな香り選びはおしゃれとは言いがたい。香りって女性でいうなら下着と同じで、自己満足の世界にもなりがち。客観性をもって、使うシーンによっては、感じ方に男女のギャップがあることを意識したほうがいいですね。
Q3:忘れられない香りはありますか?
少し話がずれてしまうかもしれませんが、とあるブランドの女性プレスだった方が、僕がつけていたフレグランスを「いい香り」と思ってくれたようで、さんざん探したそうなんです。後日メールで愛用していることを報告してくれたことは、今でも記憶に残っています。「KENZOKI」のフレグランスだったと思いますが、そういった香りのユニセックスな楽しみ方はロマンチックですね。
Q4:香りをまとった女性を、「素敵だな」と思う瞬間は?
香りを“コミュニケーションツール”だとわかって使っている人は素敵ですよね。しかも、その人の笑顔が素敵で妙に距離感が近かったら、男性は間違いなく「自分に好意がある」と勘違いする(笑)車の中や隣同士で座ったときなど、1m圏内でふと香りが届くと、ドキッとするものです。存在をアピールするように、はるか遠くに届ける必要はナシ! さらにいうなら、女性はいくつになっても、チャーミングでいることが大切。笑顔って、香りが届くか届かないかの微妙な距離感を越えて相手に届くものですし、自分が笑顔でいられる香りを知っている人は、自然とモテるはずです。
Q5:フレグランスのマナーとして「台無し!」と思うNG場面は?
食事するときに、主張の強い香りをまとっているのはつらいですね。和食のときなどは、その香りが“邪魔”のなにものでもないですし、お寿司屋などではご主人にも悪いです。お気に入りの串揚げ屋では、お手洗いに「香水のご使用はお控えください」と貼り紙があるのですが、どんなにアピールしたくても、食事シーンでは慎重になるべきだと思います。