特集(エディターズPICK)
2016/03/03(木)

気付かないうちに老化が加速!? "くすぶり炎症"注意報

近年、化粧品の分野でも研究者たちが着目する「炎症」。炎症そのものは新しい発見ではないけれど、身体や皮膚の内部に火がくすぶるような弱い炎症が起こり慢性化すると、肥満や肌老化、様々な体調不良の原因になることがわかってきた。しかもこの"くすぶり炎症"は、痛くも痒くもなく、気が付かないというからやっかい。日常生活でできる対処法を、腸と肌、ふたりのエキスパートが指南する。

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いま改めてクローズアップされる、2種類の"炎症"って?

炎症とひとくちに言っても、「慢性炎症」と「急性炎症」では大きな違いがある。まず急性炎症は、外から入ってきた菌やウイルスを、撃退しようとして起こる現象。発熱、赤み、腫れ、痛みやかゆみなど、症状があるので自覚しやすい。一方、自覚しづらい、もしくは自覚“できない”のが慢性炎症だ。自覚症状がないままくすぶり続け、内臓にダメージを与えたり肌老化を進めてしまう。そんな慢性炎症の起点は「停滞した腸にある」と話すのは、30年間で4万人の腸を診察してきた、腸のエキスパート、松生恒夫先生。「停滞した腸とは便を肛門の方に送り出す『ぜん動運動』がうまくいかず、排出がままならない腸のこと。便秘がちだったり、出てもすっきりしない人は停滞腸の可能性大」(松生先生)
 
腸から始まる慢性炎症。あなたも"くすぶり"発症中かも!?
 
「なぜ腸が慢性炎症の基点かというと、腸は老廃物や毒素にまみれた器官だからです。そもそも炎症は体を守るために起こる反応ですから、老廃物や毒素から腸管を守るために、腸に炎症(くすぶり)が起こるのは当然。腸が停滞してしまい排出がうまくいかなければ、腸はくすぶり続けなければなりません。ひいては行き場のない老廃物や毒素が腸壁から再度吸収され、血流にのって全身を回るという事態も発生します」(松生先生)。腸は体の中でも血管が多い臓器。全身に毒素を巡らせる環境が整い、慢性炎症の起点となるのが腸という訳だ。

photo : Getty Images, text : Motoko Nomura

  • お話を伺った先生
     
    松生恒夫先生/松生クリニック院長 
    東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院、松島病院などを経て2004年に開業した立川市の松生クリニックでは、国内では珍しい便秘外来を設置。便秘解消法・大腸内視鏡検査のスーパードクターとして知られる。薬に頼らないオリーブオイルを取り入れた地中海式食生活なども提案。『朝の腸内リセットがカラダを変える』『見た目は腸が決める』など、著書は100冊を超える。
     
    亀山孝一郎先生/青山ヒフ科クリニック院長 
    北里大学医学部卒業後、北里大学皮膚科を経て米国立保健衛生研究所でメラニンの産生について研究を行う。世界に先駆けて「ビタミンCのニキビに対する効果」と題した論文を発表するなど、ビタミンCとニキビ、オイリー肌との関係を分析。ビタミンC療法の第一人者として知られ、2002年には最先端の皮膚化学と化粧品科学を融合したオリジナル化粧品「ドクターケイ」を発表。

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