女優ケイト・ブランシェットの“運命を切り拓く”生き方

『エル・ジャポン』3月号でもクローズアップしている、ケイト・ブランシェット。『アビエイター』と『ブルー・ジャスミン』で2度のオスカーに輝き、最新公開作『キャロル』で再びアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている名女優が、グローバルアンバサダーを務める「SK-Ⅱ」の新キャンペーン「運命を、変えよう。」イベントに参加するため、6年ぶりに来日した。46歳にしてキャリアの頂点に立ったケイトが語る、“運命を切り拓く”生き方とは?

――女優という仕事を選んだいきさつを聞かせてください。
  
ケイト・ブランシェット(以下C.B.)大学に入ったときは、絵が好きだから、美術関係に進めたらいいなと漠然と考えていたんです。ただ、母が女手ひとつで3人の子供を育て、経済的に苦労する姿を見てきたので、実社会で役に立つ勉強もしておかなければという気持ちもあって、美術史のほかに経営学と経済学も専攻しました。経済学はまったく才能なしだと判明しましたが(笑)。結局、大学で演劇に出合い、ドラマ・ソサエティでの活動に夢中になりました。それで、思い切って大学を中退して、オーストラリア国立演劇学院の試験を受けたんです。自分が好きな俳優という仕事で生計を立てられるようになる自信はまったくありませんでしたが、自分にこう言い聞かせました。「とにかく5年やってみよう。それで芽が出なかったらすっぱりあきらめて、大学に戻って学位を取り直そう」と。どんな人でも、人生の計画を完璧に立てることはできないと思うんです。成功や失敗を予測するなんて不可能。でも、前に一歩踏み出さなければ何も始まらない。とにかく始めてみようと思いました。幸い、演劇学校にはなんとか合格して、現在に至るキャリアにつながっていきました。

――その後、舞台から映画へと、仕事の幅を広げていかれましたね。
   
C.B. 女優の仕事を始めたばかりのころは、オーストラリアにいたこともあって、なかなか仕事がもらえなかったので、どうすればキャリアを軌道に乗せられるか、いつも必死で考えていました。そうしているうちに映画への出演オファーという大きなチャンスが訪れたんです。演劇もエキサイティングな世界ですが、映画は私に、まったく新しいステージを与えてくれました。ただし、映画には舞台と違う種類の勇気が必要です。俳優には自己顕示欲が強い人が多いけど、私はどちらかというとプライバシーを守りたいほう。だから舞台では2000人の観客の前で自分を開くために大変な努力をしました。映画の撮影現場はそれともまた違って、常にあらゆる角度から見られている状態に慣れなければならない。舞台では身体的に、映画では心理的に丸裸にされてしまう感じです。でも、それが仕事ですから、不平は言えませんね(笑)。
  

――国際的なブレイクのきっかけになった『エリザベス』への出演も、ケイトさんの運命を変えた出来事だったのではないでしょうか。
   
C.B. ええ。ですが脚本を読んでオーディションを受けたときは、これが自分の運命を変える作品になるとはまったく思わず、すっかり怖気づいていました。逃げ出そうと思ったくらい。それまでグレンダ・ジャクソンやベティ・デイヴィスといった大女優が演じてきた役なのに、私はまだ駆け出しの新人。でも、どうせダメに決まっていると思ったらかえって変な勇気が出て、最高の私を見せてやる!と開き直ってオーディションに臨みました。そうしたらキャスティングされてしまって。その瞬間から恐怖がぶり返しました。シェカール・カプール監督が私を信じてくれたので、なんとかやり遂げられたと思います。ときには誰かの何気ないひとことが自信をつけてくれることがあるんですよね。[次ページへ続く]

  • SK-Ⅱでは、運命を切り拓いたさまざまな女性たちのストーリーを公開中。こちらもチェックしてみて。
    http://www.sk-ii.jp/ja/changedestiny.aspx

  • 『エル・ジャポン』3月号でもケイト・ブランシェットにクローズアップ!

    グローバルに活躍する女性たちにフィーチャーした特集「今、世界でいちばん輝いているセレブは?」のトップバッターは、ケイト・ブランシェット。ハリウッド女優の代表として、ケイトに直撃インタビューを敢行。フィルモグラフィーとともに綴られるオスカー女優ケイトの、もうひとつのストーリーにも注目!

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text:Izumi Matsuura

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